複雑な柄の藍染や
型友禅の多色染めを実現

染形紙に限らず、なんらかの形で布に柄付けする場合、その柄の要素は連結されていなければなりません。
例えば地色の白い丸の中に、染め色の丸を描きたいなら、地色の外と内を繋ぐ部分(吊り)を彫り残さないと地色の中の孤立した部分は抜け落ちてしまいます。
一般的な藍染めに用いられる染型紙の多くや小紋柄の形紙は一枚型で、上記の問題を巧みな意匠設計で克服しています。しかし、複雑で細かな柄模様を描いた高級品や形友禅に代表される多色染めの場合は「主型」(型の柄の要所を彫刻した型)と「消し型」(主型の吊りを消す型)に彫り分けられ、一枚目の型付けに重ねて二枚目の型付けをすることで完全な柄が描かれることになります。
これを「二枚型」や「返数型」、あるいは「重ね型」、「追掛け型」などと呼びます。重ねる枚数は、意匠の高度化や多色化によって増え続け、現在まで5枚形まで確認されています。
また、三木では形友禅のために彫られたと考えられる二枚型の染形紙も多数発見されています。

連続した柄や二枚型を合わせる
「ロ星」と「合わせ星」

一枚形で布地の上に連続して糊置きをする時や、二枚型の主型で物を置く時、柄を合わせながら糊置きをしますが、その目印のことを「口星」と言います。また、二枚目の消し型を使って糊置きをする時は、形紙の柄の中にある目印を合わせながら糊置きをしますが、その目印を「合わせ星」と言います。
普通、上辺と下辺に各2箇所ずる、数ミリの穴が空けられています。

主型(蓑亀と竹入り松皮菱)
消し
濃淡をつけて二度染めした染め上がり

型地紙の素材と製法 ▷型彫りの技 ▷「糸入れ」と「紗張り」 二枚型(返数型)